相談者は、建物の解体業を営んでいるAさんは、Bさんから、火災に遭った建物の解体工事を依頼されました。
しかし、Bさんは、解体工事が終わった後になって、「事前にAさんからもらったものは見積書で、正式な契約はしていない」「基礎部分は残してほしかったのに、全部壊されたので、むしろ損害を弁償して欲しい」などと言い出し、代金の支払いを拒みました。
困ったAさんは、いろんな人に相談をしましたが、Bさんは様々な理由を述べては支払いを拒み続けました。
そこで、Aさんは弁護士に相談しました。
弁護士は、速やかにBさんを相手に請負代金を請求する訴訟を提起しました。その訴訟でも、Bさんは正式な契約は交わしていない、無断で建物を壊されたなどと訴えていました。
しかし、請負契約は契約書がなくても「当事者間の合意」があれば成立します。
そこで、弁護士は、解体工事の前後の、当事者の具体的な行動(例えば、Bさんは解体工事をしている様子を見ていたのに何も文句を言わなかったことや、解体が終わった後、Bさん自ら建物の滅失登記をしていたことなど)を明らかにすることによって、当事者の合意があったことを証明しました。
その結果、ほぼ満額の解体工事代金を支払ってもらう内容で、和解が成立しました。
現在では、後々の紛争に備えて契約書を作っておくべき、という考え方が広がってきましたが、まだまだ、相手の善意を信じて、口約束で重大な契約をする例が見られます。
しかし、せっかく約束を守ったのに、書面がないからと言って泣き寝入りするのは待ってください。
契約書がない場合でも、前後の当事者の言動などを明らかにすることで、契約が成立していたことを証明できる場合もあります。
諦める前に、まずはご相談ください。
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